一言で表してしまえば「円熟」なのだけれど。ゴリゴリのラヴソングを唄う歳でもないのかもしれない(Vo.のコリーンは来年で還暦だ)、けれど、SOSの世界は(個人的にはそれを「綿雲の上に寝転がっているような」と評したりするのですが)、きちんとそこにあって。特に、前半はSOS的世界を現代に再解釈した印象が強く、Tr.6以降は、再解釈というよりは「深化」という印象に変わっていく。日本版ライナーノーツにあったように、確かに前回の来日ライヴで「クラウドファンディングでアルバムを創る」という発言は憶えがあって、このアルバムがそうなのかもしれないし、アルバム前後半の二面性はそんなところからきているのかもしれない。
このセコセコ、ややもするとギスギスした時代に、取り残されている、でも、取り残されていたとしても、美しいところは、あっていいじゃない?「変わっていそうで変わっていない」クラシカルだけど手許に残しておきたいアルバム。
とはいえ、(ジブンが最初に出逢ったアルバムでもある)"Shapes And Patterns"が今も一番好きかも。
以下、関連リンク
- スウィング・アウト・シスター『Almost Persuaded』 10年ぶり10枚目の最新作は、スウィング・アウト・シスター流〈ロンドン・コレクション 2018〉: http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/18209
- (過去記事)Swing Out Sister Live @ Billboard Tokyo: http://mwex2.seesaa.net/article/407006782.html
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